異なる地域での甘ガキ‘次郎’の自然脱渋過程の解析
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概要
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1. ‘次郎’の果実の肥大と果実中の可溶性タンニン含量の変化を山形と京都において調査し, それらと両地域における気温の推移との関係を比較検討した. その結果, 両地域とも果実の肥大に伴って可溶性タンニン含量が減少し, 京都では8月上中旬にほぼ完全に消失したのに対し, 山形ではある程度まで減少したのち, その後の減少が徐々で9月下旬においても渋味の消失のみられない年があった. このような両地域における可溶性タンニン含量の変化にみられる差異は, 果実発育期の日平均気温, とくに生育後期における日平均気温の相違によるものと推察された.山形では, 果実の生育初期が低温で経過した場合, 可溶性タンニンの減少が抑えられる傾向がみられた. しかし, 果実内にわずかに残った可溶性タンニンの消失とその時期における日平均気温との関係は必ずしも明らかではなかった.2. 山形において, 同じ日に採取した果実でみた場合, 新鮮重の大きな果実ほど可溶性タンニン含量が少ない傾向がみられた.3. 京都において, 完全甘ガキの11品種を供試し,果実肥大と可溶性タンニン含量の変化との関係を調査した. その結果, 各品種の可溶性タンニン含量の減少速度には品種間で大きな差が認められず, また品種固有の果実肥大の様相との間に明確な関係が認められなかった. しかし, 渋の残り易い品種ほど生育初期における可溶性タンニン含量が高い傾向がみられた.
著者
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