カキ果実の脱渋機序の解明ならびに長期貯蔵に関する研究
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概要
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渋ガキ果実の渋味が脱渋処理によって消失するのは、渋味の原因物質である可溶性のカキタンニンが果実内に生じたアセトアルデヒドによって不溶化するためであることはよく知られているところである。つまり、強烈な渋味を呈する高分子ポリフェノールである可溶性タンニンは、各種脱渋処理によって果肉中に生成したアセトアルデヒドによって、あたかもフェノール樹脂が固まるように縮合して不溶化し、その結果渋味が感じられなくなるのである。本稿ではまず、渋ガキ果実の各種脱渋過程における渋味の減少にかかわるアセトアルデヒド以外の要因として、筆者らが最近提案した2つの新しい要因について解説する。つぎに、渋ガキ脱渋果の加工利用を考える際の最も重要な問題の一つである「渋もどり」現象(いったんは消失した渋味が加熱処理や酸の添加などによって再び出現すること)の評価法と渋もどりしにくい果実を確保する方法について考察する。さらに、プラスチックフィルムで包装した渋ガキ果実の長期貯蔵性に関する最近の研究結果を紹介することにしたい。
- 2009-01-30
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