甘ガキおよび渋ガキ果実の発育過程におけるタンニンの蓄積と不溶化
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概要
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完全甘ガキ'次郎'と無核の不完全渋ガキ'平核無'の果実の発育中の可溶性タンニンの生成と蓄積ならびに果実内における不溶化の様相を調べた.可溶性タンニンは両品種とも果実発育の第2期の初め頃まで果実内に生成・蓄積したが, 蓄積量は'平核無'の方が'次郎'よりはるかに多かった.'平核無'のタンニンは発育期間を通してほとんどすべてが可溶性であり, 果実当たりの全タンニン含量は第2期以降ほぼ一定の値を保った.一方, '次郎'は発育の前期から全タンニン中に占める不溶性タンニンの割合が比較的高く, 第1期の後半には約半分を占めた.また, 第2期以降果実当たりの全タンニン含量が減少したことから, 不溶化したタンニンの一部は本実験で用いた方法では抽出できなくなったものと考えられた.以上のことから, '次郎'の可溶性タンニンは'平核無'に比べて容易に不溶化するが, いったん不溶化すると再び可溶化しにくいものと推察された.
- 園芸学会の論文
- 1998-07-15
著者
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