メチルイソブチルケトンによるオスミウム-チオ尿素錯体の抽出
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概要
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オスミウム(VIII)は硫酸酸性溶液中でチオ尿素と桃色の可溶性錯体を形成し,このことがオスミウムの吸光光度定量に利用されている.過塩素酸イオン存在下でこの錯体がメチルイソブチルケトンに抽出されることを見いだした.抽出物は波長480nmおよび540nmに吸収極大を持つ.この錯体の抽出率は種々の条件,すなわちチオ尿素濃度や過塩素酸イオン濃度および温度によって影響を受ける.これらオスミウムの分配比に及ぼす影響から,過塩素酸イオンの錯体へのイオン会合数が3であることを決定した.また,すでに報告されているオスミウム-チオ尿素錯体についての知見とあわせ考え,抽出化学種をOs(thiourea)<SUB>6</SUB>(ClO<SUB>4</SUB>)<SUB>3</SUB>と推定した.この化学種の分配係数および会合定数を求めた.抽出に及ぼす温度の影響は非常に大きく,温度が低いほどよく抽出される.一定温度において水相でのオスミウムの濃度が1.6×10<SUP>-5</SUP><I>M</I>から1.9×10<SUP>-4</SUP><I>M</I>の範囲で,その濃度と抽出有機相の吸光度との間によい直線関係が認められた.480nmにおける抽出錯体の分子吸光係数は4.0×10<SUP>3</SUP>であった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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