エチルキサントゲン酸コバルト(II)の四塩化炭素抽出
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概要
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エチルキサントゲン酸塩を用いる2価のコバルトイオンの四塩化炭素抽出を,水溶液のpH,イオン強度およびエチルキサントゲン酸塩濃度を変えて調べた.抽出化学種はCo(EtX)<SUB>2</SUB>でその分配係数は251である.コバルトの分配比に及ぼすエチルキサントゲン酸イオン濃度の影響からCo(EtX)<SUB>2</SUB>の錯生成定数(β<SUB>2</SUB>)の値を得た.23.5℃においてイオン強度が1, 0.5, 0.1, 0.01および無限希釈時の値として,それぞれ,logβ<SUB>2</SUB>=4.3<SUB>4</SUB>, 4.4<SUB>0</SUB>, 4.5<SUB>1</SUB>, 4.6<SUB>1</SUB>および4.6<SUB>8</SUB>を得た.カドミウムや亜鉛について知られているM(EtX)<SUP><I>n</I>-</SUP><SUB>2+<I>n</I></SUB>という錯体は見いだされなかった.Co(EtX)<SUB>2</SUB>の抽出の最適pHは6.5〜9であり,有機相中の錯体は安定であり,284mμおよび356mμに吸収極大を示す.波長356mμにおける錯体のモル吸光係数は1.34×10<SUP>4</SUP>で,抽出はほぼ定量的に行なわれる.水溶液相のはじめのコバルトイオン濃度と有機相中の吸光度との間にはよい直線関係が示される.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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