ニッケル(H)-キサントゲン酸錯体のクロロホルム抽出
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ニッケル(II)イオンはメチルー,エチルー,n-プロピルー,n-ブチルー及びぺンジルキサントゲン酸イオンと反応して水には難溶であるがクロロホルムには可溶の黄かっ色錯休を形成し,クロロホルム中での錯休はいずれも480 nm,420 nm 及び320 nm 付近に吸収極大を持つ類似の吸収スペクトルを与える.いずれの錯形成反応も遅く,抽出平衡に達するのには1時間以上の抽出時間を要する.2×10^<-4>mol dm^<-3> のニッケルイオンはpH 5.0〜8.5で1×10^<-3> mol dm^<-3>以上の配位子濃度で定量的にクロロホルム相へ抽出される.抽出化学種の420 nm 付近の吸収極大波長におけるモル吸光係数を求めた.又,ニッケルの分配比と配位子濃度との関係から抽出化学種として[Ni(xanthate)_2]が推定され,その生成定数及びクロロホルムヘの分配定数を得た.合成・単離した錯休はクロロホルムに易溶でその吸収スペクトルは溶媒抽出におけるそれと一致した.又,クロロホルム中で測定した錯休の分子量は[Ni (xanthate)_ 2]という錯休の分子量に一致した.これらのことから,抽出化学種は二座配位子としてキサソトゲン酸イオンが2個配位した配位数4のニッケル錯休であると考えられる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1981-01-05
著者
-
林 謙次郎
山口大学理学部化学教室
-
佐々木 義明
山口大学理学部
-
林 謙次郎^
山ロ大学理学部化学教室
-
相馬 良子
山ロ大学理学部化学教室
-
相馬 良子
愛媛大学工学部
-
田頭 昭二
山口大学理学部
-
佐々木 義明
山口大 理
関連論文
- 非イオン性界面活性剤と1-ニトロソ-2-ナフト-ルを用いる鉄(2)の吸光々度定量〔英文〕
- ビスマス-チオ尿素錯体の錯生成とその溶媒抽出
- 1-ピロリジンジチオカルバミン酸塩及び非イオン性界面活性剤を用いる銅(II)の吸光光度定量
- ピロリジンジチオカルバミン酸及び界面活性剤を用いるオスミウムの吸光光度定量
- チオシアン酸塩及び非イオン性界面活性剤を用いる鉄(III)の吸光光度定量
- ストロンチウムイオンの活性炭, ガラスおよびシリカゲルへの吸着
- 黒鉛炉原子吸光法による金めっき皮膜中のタリウムの定量
- ベンジルキサントゲン酸カリウムを用いる亜鉛(II)、カドミウム(II)のクロロホルム抽出
- 陽イオン界面活性剤ゲル吸着法によるめっき液中の6価クロムの回収(若手研究者の初論文特集)
- ペンチルアミン型ペロブスカイトへの金属イオンの交換反応
- 界面活性剤ゲル抽出法による合金中の銅(II)とニッケル(II)の分離回収に関する基礎的研究
- 界面活性剤ゲル抽出法を用いる金と銅の分離回収
- 高濃度の塩を含むサンプル溶液中のニッケル(II)の界面活性剤抽出-吸光光度定量
- 界面活性剤抽出法を用いる白金族元素の分離
- 合成サポナイトと陽イオン界面活性剤の相互作用
- 低濃度のTh(IV), U(IV), Y(III), La(III), Pb(II)及びFe(III)の濾紙および活性炭への吸着
- イオン交換樹脂への二価陽イオンの吸着等温式
- ハロゲン化銀およびヨウ化タリウム(I)へのトリウム-Bの二次吸着
- ハロゲン化銀への銀イオンの吸着
- 亜鉛(II)-及びカドミウム(II)-O,O'-ジアルキルジチオリン酸錯体の溶媒抽出
- 1-ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウムを用いる銅(II)の重量分析
- ドデシルキサントゲン酸ナトリウムを用いるニッケル(II)及びコバルト(II)の吸光光度定量
- ジエチルジチオリン酸塩を用いる鉄(III)及び銅(II)のヘキサン抽出-吸光光度法
- アルミニウム-アルミノンレーキに対する非イオン性界面活性剤の分散剤としての効果
- ニッケル(H)-キサントゲン酸錯体のクロロホルム抽出
- ベンジルキサントゲン酸塩を用いる鉄(II)及び鉄(III)のクロロホルム抽出
- 亜硝酸ナトリウムを用いるチオ尿素の間接吸光光度定量法
- 陽イオン界面活性剤を用いたチオシアン酸塩溶液中の金属イオンの浮選
- 陽イオン界面活性剤を用いた臭化水素酸溶液中の金属のイオン浮選
- 陽イオン界面活性剤を用いた塩酸溶液中の白金(II),パラジウム(II)及び金(III)のイオン浮選
- 金属-ジチオカルバミン酸錯体のMIBK抽出における異常現象--Cd-ddtc錯体,Cu-pdtc錯体
- 1-ピロリジンジチオカルバミン酸アンチモン(III)を抽出試薬とするカドミウムの溶媒抽出-吸光光度定量法
- 非イオン性界面活性剤及びチオシアン酸塩を用いるモリブデンの吸光光度定量
- アンチモン-1-ピロリジンジチオカルバミン酸錯体を抽出試薬とする銅(II)の吸光光度定量
- エチルキサントゲン酸塩を用いるマンガン(II)のメチルイソブチルケトン抽出
- イミダゾール基を表面に有する銅(II)鋳型均一微粒子の合成
- 無機吸着体としてのメソ細孔を持つ架橋粘土化合物
- ピロリジンジチオカルバミン酸を用いる鉄の吸光光度定量
- MIBKを用いる鉄鋼中のテルルの分離
- チオシアン酸塩及び界面活性剤を用いるコバルト(II)の吸光光度定量
- メチルイソブチルケトンによるオスミウム-チオ尿素錯体の抽出
- エチルキサントゲン酸コバルト(II)の四塩化炭素抽出
- ピロリジンジチオカルバミン酸を用いる2価テルルの紫外吸光光度定量
- メチルイソブチルケトンによるテルル-チオ尿素錯体の抽出
- ピロリジンジチオカルバミン酸を用いる4価テルルの紫外吸光光度定量
- エチルキサントゲン酸亜鉛のクロロホルム抽出
- テルル,セレン,クロムの薄層クロマトグラフィー
- 陽イオン交換樹脂によるルテニウムの分離
- 抽出溶媒としての非イオン性界面活性剤