ピロリジンジチオカルバミン酸を用いる2価テルルの紫外吸光光度定量
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概要
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2価テルルは,酸性溶液中で,ピロリジンジチオカルバミン酸(PDTC)と難溶性の沈殿をつくる.この沈殿は,メチルイソブチルケトンやその他の有機溶媒に溶ける.2価テルルの定量を目的として,PDTCを用い,溶媒抽出し,吸光光度法を行なうことは,Te-PDTC錯体と同時に,PDTCが一部抽出されるために好ましくない.しかし,2価テルルはPDTCと反応して,トリトンX-100(アルキルアリルポリエーテルアルコール)のような界面活性剤の存在のもとで,水に可溶な錯体をつくる.0.275%トリトンX-100溶液2m<I>l</I>,6.10×10<SUP>-3</SUP><I>M</I> PDTC溶液2m<I>l</I>を含むpH0.9〜1.2の溶液20m<I>l</I>中において水に可溶性のこの錯体は,安定で,2価テルル3.0〜90μgの範囲でベールの法則が成立する.錯体の組成は,モル比法によりTe(PDTC)<SUB>2</SUB>と決定した.溶液中および錯体中の2価テルルは,アルカリ性溶液中で容易に元素状に還元される.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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