選択的IgA欠損症の2症例 : 末梢血リンパ球でのIgA産生異常
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概要
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IgA単独欠損症解明には, IgA産生機構の障害を免疫生物学的にとらえる必要がある. IgA単独欠損症の免疫生物学的解析成績は極めて少なく, Delespesseら(1976), Waldmannら(1976)の成績をみるのみである.われわれは2例のIgA単独欠損症例の免疫学的検査および末梢血リンパ球でのIgA産生異常部位について検索した.症例1. 44才,男性,肺化膿症および反復性気管支肺感染例.症例2. 52才,男性,腎結核.いずれの症例でも血清,外分泌液ともにIgAを欠損するが,外分泌液にfree secretory componentは正常に存在し,他の体液性,細胞性免疫能には異常を認めなかつた.症例1の外分泌液中には, IgMが高値を呈した.症例2ではIgA欠損が続発性に生じたことが確認されており,経過中に罹患した風疹が原因と推測される. IgA産生に関する末梢血リンパ球機能検索の結果,症例1はB細胞の機能障害とhelper T細胞機能障害の両方を認めたのに対し,症例2では, B細胞機能障害のみを認めた.このことは,同じIgA単独欠損症でも,免疫生物学的には,種々の異なつた障害様式が存在するであろうことを示唆している.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
-
平野 俊夫
大阪大学医学部バイオディカル教育研究センター腫瘍病理学
-
中山 拓郎
徳島大学医学部第3内科
-
滝下 佳寛
徳島大学医学部第3内科
-
螺良 英郎
徳島大学医学部第三内科
-
山村 雄一
大阪大学医学部
-
田村 正和
徳島大学医学部第三内科
-
岸本 忠三
大阪大学医学部
-
後東 俊博
徳島大学医学部第三内科
-
栗谷 太郎
大阪大学医学部第三内科
-
村口 篤
大阪大学医学部第三内科
-
螺良 英郎
徳島大学医学郎第三内科
-
岸本 忠三
大阪大学医学部第三内科
-
中山 拓郎
徳島大学医学部第三内科
-
平野 俊夫
大阪大学医学部第三内科
-
滝下 佳寛
徳島大学医学部第三内科
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