血漿交換療法が著効した薬剤起因慢性肝内胆汁うっ滞の1症例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高度の黄疸を伴う薬剤起因慢性肝内胆汁うっ滞の1症例に血漿交換療法を施行し,良好な治療成績を得たので報告する.症例は40歳,女性.38歳より幻覚・妄想状態が出現し,精神分裂病として精神病院に入院中に高度の黄疸を伴う肝障害をきたしたためK病院に転院した.入院時37mg/dlあった総ビリルビンは10ヵ月後に3.6mg/dlまで低下したが,向精神薬Haloperidolの再投与を受けたところ高度黄疸の再燃をきたし,当科へ転院となった.入院後1ヵ月間に4回の血漿交換を施行し,黄疸および掻痒感の著明な改善をみた.最終の血漿交換後3ヵ月後も総ビリルビン1.9mg/dlの順調な経過をとっており,血漿交換療法は病期の短縮に有効であったと考えられる.高度の黄疸を伴う慢性肝内胆汁うっ滞の治療は困難な場合が多いが,血漿交換療法は効果が確実且つ迅速で安全性の高い優れた新しい治療法であると考えられた.
著者
-
岡 博子
大阪市立総合医療センター消化器内科
-
針原 重義
大阪市立大学
-
山上 征二
大阪市立大
-
溝口 靖紘
大阪市立大学医学部第2外科
-
岡 博子
大阪市立大学 公衆衛
-
山本 祐夫
大阪市立大石井内科
-
関 守一
大阪市立大学 大学院肝胆膵病態内科学
-
筒井 ひろ子
大阪市立大学
-
溝口 靖紘
大阪市立大学医学部内科学
-
岡 博子
大阪市立大学第3内科
-
筒井 ひろ子
大阪市立大学第3内科
-
関 守一
大阪市立大学第3内科
-
山本 祐夫
大阪市立大学医学部第3内科
-
山本 祐夫
大阪市立大学医学部,第三内科学教室
-
山本 祐夫
大阪市立大学
関連論文
- 91歳にて肝臓・大腸の重複進行癌を一期的に切除後,集学的治療により100歳まで生存しえた1例
- 生体肝移植後44カ月目のグラフト内肝癌再発に集学的治療により対処し再発後50カ月にわたり長期生存せしめ得た1例
- Child-Pugh A 腫瘍径5cm以下単発肝癌の長期成績 : 単一施設における肝切除と局所療法の比較
- 下大静脈転移をきたした肝細胞癌の2例 : 転移機序の考察
- 豊富な腫瘍内門脈血流を有する中分化型肝細胞癌の1例
- 肝細胞癌に対するマイクロ波凝固療法の効果判定に関する画像的検討
- 肝細胞癌に対する局所療法の予後に関する検討
- 経過観察中に肝嚢胞腺癌を疑わせる出血性病変がみられた多発性肝嚢胞の1例
- 症状が遷延した腸間膜リンパ節炎に対してステロイドが著効した1例
- 胃瘻, 十二指腸瘻を合併し治療に難渋した膵膿瘍の1例
- 超音波像から見た膵管内乳頭粘液性腫瘍と粘液性嚢胞腫瘍の良悪性診断
- 門脈腫瘍栓合併肝細胞癌に対する肝切除の適応と限界
- 黄色肉芽腫性胆嚢炎15例の超音波画像の検討
- 肝細胞癌治療における経皮的マイクロ波凝固療法の意義
- 再発時に出現した門脈腫瘍栓(Vp3)と巨大な孤立性リンパ筋転移 を同時切除した肝細胞癌の1例
- C型肝硬変に合併した肝細胞癌と胆管細胞癌の重複癌の1切除例
- 肝細胞癌に対する経皮的マイクロ波凝固療法の治療成績―肝切除および経皮的エタノール注入療法との比較―
- 腸間膜脂肪織炎による腹痛を主訴としたWeber-Christian病の1例
- 急性発症したと考えられる原発性胆汁性肝硬変の1例
- C型慢性肝炎患者におけるインターフェロンβ投与中の高トリグリセイド血症の検討
- 繰り返す下血を主訴とした膵頭部動静脈奇形の1例
- 全周性の平坦な発赤を呈した直腸粘膜脱症候群の1例
- 多発性直腸微小カルチノイドの1例
- Crohn病(父)と潰瘍性大腸炎(息子)の家族内発症例
- サーベイランス内視鏡にて発見された大腸異時性癌についての検討
- DICおよびToxic megacolon を合併した潰瘍性大腸炎の1例
- 肝細胞癌に対する経皮的マイクロ波凝固療法 -肝切除例における治療効果判定を中心として-
- 内視鏡治療が奏功した Heyde 症候群の1例
- 一卵性双生児の双方に発症した潰瘍性大腸炎の症例
- 虫垂開口部に非連続性病変がみられた潰瘍性大腸炎の2例
- 大腸脂肪腫の臨床的検討
- 牛眼像を呈した肺原発転移性大腸癌の1例
- インターフェロン治療中に高トリグリセリド血症の著しい増悪を呈したC型慢性肝炎の2例
- 神経内分泌細胞と扁平上皮への分化を示した肝細胞癌の1例
- 虚血性直腸炎を合併した腸間膜脂肪織炎の1例
- 芍薬甘草湯含有市販漢方胃腸薬による薬剤性肝障害の1例
- C型慢性肝炎患者におけるインターフェロンβ投与中の血清リポ蛋白分画の変動
- AFP-L3分画が高値を示した多血性胆管細胞癌の1切除例
- 興味ある進展形式を示した混合型肝癌の1切除例
- 多施設(38施設)調査に基づくラジオ波治療の現状と問題点
- 多施設(22施設)調査に基づく肝癌無治療例195例の検討
- 多施設(18施設)調査に基づく単発肝細胞癌の治療成績の現況
- 画像Stage及び肝障害度別の肝細胞癌治療成績の検討
- 肝細胞癌に対する経皮的マイクロ波凝固療法の治療成績
- 慢性肝炎の庇護療法 (特集 プライマリケア医のための肝臓疾患診療マニュアル)
- 小柴胡湯による肝細胞癌の発癌抑制作用を中心に
- 肝表面に存在する肝細胞癌に対する経皮的マイクロ波凝固療法
- C型慢性肝炎患者におけるインターフェロンβ投与中の血清トリグリセリドおよび遊離脂肪酸の変動
- 慢性肝炎に対する肝庇護剤の使い方 (特集 プライマリケアのための消化器疾患の診かた(2)肝・胆・膵疾患)
- 初診時のパワードプラエコーにて診断しえた肝限局性結節性過形成の1切除例
- インターフェロンβ治療後,ALT正常・血中HCV-PNA陽性(不完全著効)を示したC型慢性肝炎の検討
- I-C-8 小柴胡湯による肝硬変からの肝癌発生予防の試み
- I-A-16 小柴胡湯による肝癌予防の試み
- EBMに基づいた消化器疾患の漢方治療
- HIV患者に発症したCMV腸炎の1例
- I-A-8 小柴胡湯による肝癌発症予防の試み
- 症例報告 ペグインターフェロンα2a隔週単独投与開始後に腫瘍の消失を認めた慢性C型肝炎合併高度進行肝癌の2例
- ペグインターフェロンα2a隔週単独投与開始後に腫瘍の消失を認めた慢性C型肝炎合併高度進行肝癌の2例
- 多施設(38施設)調査に基づくラジオ波治療の現状と問題点
- 多施設(22施設)調査に基づく肝癌無治療例195例の検討
- 急性肝不全生存例における広範壊死部の再生に伴う組織学的変化について
- ヒトにおける再生肝細胞の形態 : 生存しえた広範肝壊死例を中心にして
- 慢性肝炎の小葉周辺帯にみられる病理組織像の特性について : 肝硬変への進展に関与すると思われる組織像を中心にして
- 豊富な腫瘍内門脈血流を有する中分化型肝細胞癌の1例
- 肝細胞癌に対する動脈塞栓法と抗癌剤one shot動注法の治療効果の比較検討
- DICを合併した急性妊娠脂肪肝の一例 : とくに直接死因と治療に関する考察
- 好酸球性肉芽腫様肝病変にpeliosis hepatisを合併し,末梢血および皮下組織に好酸球増多を示した一症例
- 慢性活動性肝炎における体液性免疫異常と性差
- GOT結合性免疫グロブリンにより血清GOT活性の持続高値を呈した1症例
- Orcein染色法によるHB抗原の肝組織内局在と血中HB抗原の検討
- ペグインターフェロンα2a隔週単独投与開始後に腫瘍の消失を認めた慢性C型肝炎合併高度進行肝癌の2例
- 免疫性肝内胆汁うつ滞モデルの作製 : 結核死菌感作モルモットに対する Purified Protein Derivatives (PPD) および Propionibacterium acnes 加熱死菌投与の影響
- 催胆汁うっ滞因子の作用機構-コルヒチン投与ラットに及ぼす影響
- アルコール多飲慢性肝疾患における催胆汁うつ滞因子の検討
- 肝内胆汁うっ滞を伴うHBs抗原陽性肝硬変患者の血清中に認められた催胆汁うっ滞因子
- 門脈主枝の閉塞により cavernomatous transformation を形成した巨脾性, 非硬変性日本住血吸虫症の1例
- 大酒家肝硬変における血清γ-glutamyl transpeptidase poor responderと女性乳房
- 血漿交換療法が著効した薬剤起因慢性肝内胆汁うっ滞の1症例
- 肝シンチグラフィによる劇症肝炎の診断と重症度判定
- 小柴胡湯と肝癌予防
- 肝細胞癌に対する肝動脈塞栓術施行中の動脈性側副血行路形成について : 2症例の検討
- Embolization therapy施行後2年6か月生存した肝細胞癌の1剖検例
- マウス肝部分切除後の肝再生に対するインターフェロンの抑制作用に関する生化学的研究
- 愛隣地区のアルコ-ル多飲慢性肝疾患患者におけるHB抗原・抗体系について--同地区慢性肝疾患の病因に関する検討
- 閉塞性黄疸を疑われたCefalexinによる薬剤アレルギ-性肝炎の2症例
- タイトル無し
- シェーグレン症候群を合併した asymtomatic PBCにSLEが出現してきた一症例
- Distribution of 111In-oxine labeled lymphocytes on adoptive immunotherapy of hepatoma.
- アルコール性慢性膵炎により脾静脈 門脈閉塞を示した肝外門脈閉塞症の1例
- Ultrasonic evaluation of small hepatocellular carcinoma: On the diagnostic problems and the limits of detectability.:On the Diagnostic Problems and the Limits of Detectability
- Estradiol binding capacity of periferal blood mononuclear cells from asymptomatic HBV carriers.
- Quantification analysis of prognostic factors in patients with hepatocellular carcinoma treated by transcatheter arterial embolization.
- Evaluation of portal circulation by oral administration of capsule enclosing Tc-99m pertechnetate.
- A clinicopathological study on 11 patients with drug-induced acute hepatic failure.
- A report on patient with acute fatty liver of pregnancy who survived together with her child.
- An autopsy case of hepatocellular carcinoma survived for five years and eight months after embolization therapy.
- A case of colonic vascular ectasia with hypertrophic cardiomyopathy manifested by massive rectal bleeding.
- Three cases of focal fatty change associated with cirrhosis of the liver.
- Tumor regression and growth rate of tumor after transcatheter arterial embolization for patients with hepatocellular carcinoma.
- Morphological polymorphysm of hepatocytes and regeneration in survivors from fulminant hepatitis and acute hepatitis with bridging hepatic necrosis.