豊富な腫瘍内門脈血流を有する中分化型肝細胞癌の1例
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概要
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症例は58歳, 女性. 糖尿病の経過観察中に超音波検査で肝右葉に径7cmの腫瘤が認められた. 血管造影で腫瘤は肝動脈, 門脈の両方から豊富な血流を受けており, 門脈造影下CTでは腫瘤内に拡張した門脈枝, pooling 像, 周囲肝実質より強い経門脈性濃染が認められた. SPIO造影MRIで腫瘤は周囲肝実質とほぼ同等の信号低下が見られた. HBV, HCVは陰性, AFPは著明高値であった. 手術が施行され中分化型肝細胞癌と診断されたが, 腫瘍内は中分化組織と高分化組織が境界不明瞭に複雑に入り組んだ特異な像であった. 腫瘍は被膜を持たず, 大部分が脂肪化しており, 腫瘍内に動脈枝や拡張した門脈枝, 拡張し集簇した血洞が見られた. Kupffer 細胞は周囲肝実質と同程度であった. 特異な病理所見を示した肝細胞癌であり, 画像所見はこれを反映した像を呈したため診断に苦慮した1例であった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 2003-07-25
著者
-
岡 博子
大阪市立総合医療センター消化器内科
-
山崎 修
大阪市立総合医療センター消化器外科
-
堀井 勝彦
大阪市立総合医療センター消化器外科
-
真鍋 隆夫
大阪市立総合医療センター放射線診断科
-
村田 佳津子
大阪市立総合医療センター放射線診断科
-
井上 健
大阪市立総合医療センター病理部
-
村田 佳津子
大阪市立総合医療センター放射線科
-
村田 佳津子
Department Of Radiology Faculty Of Medicine Osaka City University
-
真鍋 隆夫
大阪市立大学放射線科
-
真鍋 隆夫
大阪市立総合医療センター放射線科
-
堀井 勝彦
大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター外科
-
堀井 勝彦
大阪市立総合医療センター外科
-
岡 博子
大阪市立総合医療センター 放射線診断科
-
真鍋 隆夫
大阪市立総合医療センター中央放射線部
-
岡 博子
大阪市立十三市民病院消化器内科
-
井上 健
大阪市立総合医療センター 病理部
-
岡 博子
大阪市立総合医療センタ-消化器内科
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