慢性活動性肝炎における体液性免疫異常と性差
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概要
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慢性肝炎,肝硬変計105例につき,HBs抗原,HBs抗体,各種自己抗体,さらに抗肝細胞膜抗体を検索した.とくに性差による検出頻度を比較し,慢性活動性肝炎のluPoid type (Sherlock)の免疫学的特徴性を性差の面から考察した.各種自己抗体の出現頻度はHBs抗原の有無とはとくに関係はみられなかった.抗肝細胞膜抗体は各種自己抗体陽性例に高率に認められた(P<0.01).<BR>慢性活動性肝炎ではHBs抗原は男性に(P<0.05),一方,HBs抗体は女性に高率に認められた.抗核抗体,抗平滑筋抗体(p<0.05),抗肝細胞膜抗体などの自己抗体はいずれも女性に陽性率が高かった.この自己抗体の男女差は,小葉改策傾向を伴う慢性活動性肝炎において最も著明であった.<BR>すなわち,慢性活動性肝炎では性差により体液性免疫応答に差がみられ,慢性活動性肝炎のSherlock分類のlupoid typeの免疫学的特徴も性差を考えることにより理解しやすいと考えられる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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黒木 哲夫
大阪市立大学医学部第3内科
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黒木 哲夫
大阪市立大学 第2病理
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門奈 丈之
大阪市立大学医学部公衆衛生
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針原 重義
大阪市立大学 第3内科
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針原 重義
大阪市立大学
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森沢 成司
大阪市立大学医学部第2外科
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門奈 丈之
大阪市立大学
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山本 祐夫
大阪市立大石井内科
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中尾 昌弘
大阪市大第三内科
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小林 雄一
大阪市立大学医学部
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川合 弘毅
大阪市立大学第三内科学教室
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森沢 成司
大阪市立大学医学部第1生化
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中尾 昌弘
大阪市立大学第三内科
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川合 弘毅
大阪市立大学第三内科
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川合 弘毅
大阪市立大学医学部第3内科
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小林 雄一
大阪市立大学第三内科
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門奈 丈之
大阪市立大学第三内科
-
中尾 昌弘
大阪市立大学医学部第3内科
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山本 祐夫
大阪市立大学医学部第3内科
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針原 重義
大阪市立大学第三内科
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黒木 哲夫
大阪市立大学第三内科
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森沢 成司
大阪市立大学医学部内科学
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山本 祐夫
大阪市立大学
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黒木 哲夫
大阪市立大学
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