急性B型肝炎におけるHBe抗原の臨床的意義
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概要
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最近の約一年間に経験した急性B型肝炎のうち,早期よりB型肝炎ウイルス情報を検索することの出来た12例につき,主としてHBe抗原の出現様式と臨床経過との関係につき検討した.6例は医療従事者で血中でのHBs抗原陽転を機会に経過観察を始めたものである.このうち4例にHBe抗原の一過性出現をみた.出現の時期は血中HBs抗原のPeak時で,そのtiterは210以上のものであり,非出現例に比し,血中HBs抗原の持続期間が長く,臨床所見も重いものが多かった.他の6例は急性肝炎症状を発症した後,来院したもので,このうち初診時の血中HBs抗原のtiterが210であった輸血後肝炎の一例にHBe抗原が一過性に認められたのみであった.これら12例の急性B型肝炎はHBe抗原の出現の有無に関係なく全例順調な経過で治癒した.以上の結果より,急性B型肝炎に出現するHBe抗原は必ずしも予後判定の指標とはなり得ないと考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
吉場 朗
虎の門病院 消化器科
-
中島 正男
虎の門病院消化器科
-
熊田 博光
虎の門病院 肝臓センター
-
伊藤 喜一
虎の門病院呼吸器科
-
熊田 博光
虎の門病院 肝臓セ
-
中島 正男
虎の門病院消化器科沖中記念成人病研究所
-
中島 正男
虎の門病院,冲中記念成人病研究所消化器科
-
熊田 博光
虎の門病院消化器科沖中記念成人病研究所
-
伊藤 喜一
虎の門病院消化器科沖中記念成人病研究所
-
中島 正男
虎の門病院 消化器科
-
熊田 博光
虎の門病院
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