肝癌に対する動脈塞栓術後の肝動脈主幹部閉塞と肝動脈spasmとの関連について
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概要
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原発性肝癌44例に対して動脈塞栓術(TAE)を行い,治療前後の血管造影像を検討した.血管造影の際に全くspasmをみなかった19例および狭窄度が30%未満の軽度のspasmを起こした10例に対してTAEを行ったが,後に肝動脈主幹部の閉塞をきたした例はなかった.一方,肝動脈主幹部に少くとも1回,30%以上の狭窄度のspasmを起こした15例に対してTAEを行ったところ,6例(40%)で後の血管造影上,肝動脈主幹部の閉塞をきたした.<BR>これら6例のうち差肝動脈基部のみの完全閉塞をきたした1例を除く5例では,胃十二指腸動脈または上腸間膜動脈よりの側副血行路が肝に対して発達し,以後のTAE療法が技術的に困難となった.<BR>肝動脈のSpasmが存在する際にTAEを施行すると肝動脈主幹部の閉塞をきたす危険があり,側副血行路新生との関連において,注意すべきである.
著者
-
吉場 朗
虎の門病院 消化器科
-
池田 健次
虎の門病院(共済) 消化器科
-
竹内 和男
虎の門病院 消化器科
-
村島 直哉
虎の門病院消化器内科
-
中島 正男
虎の門病院 消化器科
-
熊田 博光
虎の門病院
-
〓本 正博
虎の門病院放射線診断学科
-
中島 正男
虎の門病院消化器科冲中成人病研究所
-
竹内 和男
虎の門病院消化器科冲中成人病研究所
-
村島 直哉
虎の門病院消化器科冲中成人病研究所
-
池田 健次
虎の門病院消化器科冲中成人病研究所
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