コルチコステロイド剤のHBe抗原抗体系のseroconversionに及ぼす影響について
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概要
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過去8年間に腹腔鏡・肝生検を施行したe抗原陽性慢性肝炎31例についてe抗原からe抗体へのseroconversionとステロイド剤との関係について検討した.31例中6例にコルチコステロイド剤を使用したところ,6例全例にコルチコステロイド剤中止後,或いは減量中に血清トランスアミナーゼのrebound現象が起こることによりe抗原からe抗体にseroconversionした.一方,コルチコステロイド剤を使用しなかった25例では10例(40%)にe抗体へのseroconversionが認められたにすぎなかった.コルチコステロイド剤を使用した6例は,血清トランスアミナーゼが高値の時期にステロイド剤を初回40mg(一部30mg)連日使用し,1週間ごとに漸減し,漸減後は10mg隔日にて2ヵ月から33ヵ月の長期に渡って使用し,血中HBs抗原のtiterが,27から210まで低下した時点でかつ血清トランスアミナーゼが100u以下に安定した時点でステロイド剤を中止したところ,ステロイド剤中止によるrebound現象が起こりe抗体にseroconversionした.6例中1例はe抗体にseroconversionしてからさらに14ヵ月後,HBs抗原がRIA法でも陰性となりさらに6ヵ月後,HBs抗体が出現した.
著者
-
吉場 朗
虎の門病院 消化器科
-
小宅 映士
虎の門病院 消化器科
-
池田 健次
虎の門病院(共済) 消化器科
-
塚田 理康
虎の門病院
-
熊田 博光
虎の門病院 肝臓セ
-
遠藤 雄三
虎の門病院,冲中記念成人病研究所病理学科
-
瀬戸 幸子
虎の門病院消化器科,沖中成人病研究所
-
若林 郁子
虎の門病院血清検査室
-
藤沢 きくえ
虎の門病院血清検査室
-
吉場 朗
虎の門病院消化器科
-
熊田 博光
虎の門病院
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