成鶏におけるヒスチジンの代謝

概要

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成熟雄鶏の窒素平衡を維持するのに,飼料中のヒスチジンが必須であることを窒素出納法で再確認し,あわせてヒスチジン-14Cを用い,その体内代謝におよぼす飼料中のヒスチジシレベルの影響をしらべるため二種類の試験を行った.8ヵ月令以上の白色レグホン種雄鶏にアミノ酸混合物を6.8%含有する飼料を70g/日/羽給与した.試験1ではヒスチジン量を0から0.118%まで,試験2では0から0.708%まで数段階に含有する飼料をそれぞれ21日および7日間給与した.L-ヒスチジン-U-14Cを投与後,呼気CO2よび総排泄物への放射能の移行量を,それぞれ,8時間および24時間測定した.24時間後に屠殺し,組織蛋白質画分への放射能の移行量を測定した.また試験1では,7,14,21日目,試験2では7日目に血液性状についてしらべ,次の成績をえた.1) ヒスチジン0飼料区では窒素出納は負になったが,2) 体重,睾丸を除く組織重量および臨床的血液性状についてはヒスチジン含量による影響はみられなかった.3) 投与した放射能に対する呼気CO2での回収率は0.118%レベルを折点として増加したが,逆に血漿および肝臓などの組織蛋白質画分では減少した.しかし,4) 総排泄物からの回収率については有意の差がみられなかった.
社団法人日本畜産学会の論文