無蛋白食摂取によるラット肝細胞内小器官の形態変化
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概要
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体重約180gの雄ラットに無蛋白食を0, 2, 7日間与え,肝臓細胞および細胞内小器官を電顕および光顕で観察し,統計的手法で解析した.その結果,無蛋白食の影響として,次のような成績が得られた. 1.細胞,細胞質および核の体積は減少し,核の体積比はやや増加した. 2. Mtの体積比はほとんど変化しなかったが, Perでは, 2日目でやや減少の傾向を示した. LDでは,平均値で約6倍に上昇した. 3.単位細胞質体積当りのMt数は2日で減少し, 7日でほぼ回復した. Per数も,変動幅はMt数よりも少ないが,ほぼ同様な傾向を示した. 4.断面が楕円形以外の形をしたMtの割合が増加した. 5.個々のMtの体積は2日で増大し, 7日でほぼC群の値に戻った. Perの体積は7日でやや減少した. 6.単位細胞質体積当りのMtの外膜の表面積は, 2日でやや減少の傾向を示した. RER膜では, 7日で約83%に減少した.単位Mt体積当りのクリステ膜の表面積は,ほとんど変化しなかった. 7. RERは群を形成するものよりも, 1本1本ばらばらになりMtの周囲を取り囲むものが顕著に増加した.本研究にあたり,ご助言を賜った岩手大学農学部野口忠助教授,ならびに電子顕微鏡技術全般に関する懇切ていねいなご指導をいただいた本学部家畜解剖学教室の方々に深く感謝いたします.本報告の大要は,日本農芸化学会昭和50年度大会において発表した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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