ヒナのフェニルアラニン要求量
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概要
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増体量,飼料効率,血漿中遊離アミノ酸濃度および呼気CO2へのフェニルアラニンの分解を指標として,成長中のヒナのフェニルアラニンの必要量を決めた. 7日令から10日間の白色レグホン種雄ヒナの最大成長のためのアミノ酸混合物添加量を20%と決めた.飼料中にチロシンが0.63%含まれる場合と含まれない場合のフェニルアラニン必要量は, 7日令から10日間の増体量から56mgと109mg/日,飼料効率から58mgと109mgと決められた. 109mgの場合,飼料中のフェニルアラニン含量は0.83%に相当する.そしてチロシンは,フェニルアラニンの49%を代替した. 17日令のヒナの血漿中遊離フェニルアラニン量は,フェニルアラニンの摂取量が必要量より少ない場合には一定に保たれ,摂取量が必要量より多くなると,増加する傾向がみられた. 17日令時のヒナのフェニルアラニン必要量は,飼料中にチロシンが含まれている場合には45mg,チロシンが含まれていない場合には, 84mgと決められた. 17日令のヒナにフェニルアラニン-2-14Cを腹腔内注射後,呼気CO2への14Cの排出は,飼料中にチロシンが含まれる場合には,フェニルアラニンの摂取量が30mg以下,チロシンが含まれない場合には, 12mg以下では0.4%以下であった.それ以上にフェニルアラニンの摂取量が増加すると, 14Cの排出量は直線的に増加した. この方法から,ヒナのフェニルアラニンの必要量は決められず,フェエルアラニン欠乏飼料給与時のフェニルアラニンの代謝機構が,他のアミノ酸のそれと異なることが示唆された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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