細胞内Ca^<2+>変動を導入した概日リズムの詳細モデリング
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概要
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ヒトやマウスにおいて,視交叉上核はサーカディアンリズムを主に決定する役割を担う.視交叉上核において様々な時計遺伝子が複雑にロバストなフィードバックループを作ることによりその役割を可能にしている.ヒトのこの系への主たる外的調節因子は網膜への光入力であり,視交叉上核の細胞内Ca^<2+>変動をもって光入力が時計遺伝子の位相変動を行うという経路が知られる.本研究では生理学的知見に基づき新たに細胞内Ca^<2+>を導入したモデルを提案する.提案するモデルでは視交叉上核における時計遺伝子のサーカディアンリズムの生成機構をモデル化する.時間発展式には反応速度式やミカエリス・メンテンの式,Hillの式を用いる.モデルのシミュレーション結果と,位相応答曲線やノックアウトマウスなど生理学的知見との比較検討を行う.その結果,導入した時計遺伝子群のmRNA濃度の位相関係や細胞内Ca^<2+>濃度変化の位相関係の再現に成功した.またノックアウトマウスや位相応答曲線の一部についても再現に成功した.結果として提案するモデルによって,サーカディアンリズムに関するさまざまな知見の説明が行えることを示した.
- 2012-03-07
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