発火潜時競争機構のサル側頭葉細胞応答による検証
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概要
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(1)視覚刺激に対するサル側頭皮質の細胞応答を側頭葉腹側路の解剖学生理学データに基づく神経回路モデルで再現した. すなわちモデルの上側頭溝の細胞応答はサルのそれと同様に反応開始後5ミリ秒で異なる刺激に対して有意な差を示した. (2)この上側頭溝細胞の高速識別能力は細胞の発火潜時の差による競争機構で実現されており, この競争は学習によって皮質回路内に形成された強化経路に沿って働くことをモデル上で示した. (3)この機構が働くとすると強い反応を出す細胞ほど短い潜時で発火しなければならない. この予想はサルの実験データとモデルシミュレーシヨンの両方で裏付けられた. これらから, 大脳皮質における数百ミリ秒の高速情報処理は学習強化された経路に沿った細胞の発火潜時の差による競争機構で実現されているとする仮説の妥当性が示された.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-03-19
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