雑音中からの連続音知覚における繰り返し学習の効果
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概要
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本研究では、カクテルパーティー効果における学習の効果について、3種類の心理物理実験により測定した。1)被験者に一連の音脈として知覚される順音列を繰り返し聴かせ、それを他の純音列と同時に聴かせたとき、それぞれの純音列を分離した音脈として聴けるかを調べた。その結果、学習が進むほど分離能力は上がった。2)被験者に一連の音脈として知覚される純音列を繰り返し聴かせ、その雑音中からの検出能力を測定した。その結果、学習が進ほど検出能力は上がった。3)純音列を一連の音脈として知覚できないように操作し、たとえば、音と音との間隔を広げ、2)と同様の実験を行った。その結果、学習によっても検出能力は上がらず、その検出自体もできなかった。これらの結果から、カクテルパーティー効果は学習により起こりやすくなること、ダーゲットを一連の音脈として知覚する必要があることが示唆された。
- 2000-12-01
著者
-
村越 一支
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻
-
中村 清彦
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻
-
松本 正幸
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻
-
中村 清彦
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻
-
中村 清彦
東京工業大学
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