スパイク干渉による神経細胞の発火時刻の解析
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概要
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一つのスパイク入力による神経細胞の発火時刻は,入力の強度により単調減少,つまり大きければ早く発火し小さければ遅く発火する.実際に神経細胞には多数のスパイクが様々な時刻に入力するので発火時刻がどうなるかはわからない.筆者らは最も簡単なスパイク干渉として二つのスパイクの強度及び相対入力時刻を変化させたときの発火時刻を,スパイク活動をよく表現しているHodgkin-Huxleyモデルで定量的に調べた.その結果,相対入力時刻によっては,入力の強度による発火時刻は単調減少にはならない現象がみられた.次にその現象がなぜ起こったかを解析した結果,Hodgkin-Huxley方程式におけるカリウムイオン電流の活性化変数nが寄与する遅れ整流が原因であることがわかった.このような遅れ整流をもたない積分発火型のモデルでの発火時刻を調べたところHodgkin-Huxleyモデルでみられた現象はみられなかった.このことは発火時刻パターンを扱うときの積分発火型モデルの利用の危険性を示唆している.
- 1999-12-25
著者
-
村越 一支
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻
-
中村 清彦
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻
-
中村 清彦
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻
-
中村 清彦
東京工業大学
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