レーザレンジスキャナとモバイル端末を活用した屋外地図推定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
地震などの大規模災害における救助活動では,災害現場の環境を早急に正確に把握することが重要となる.なかでも災害現場の地理情報は傷病者の救助,搬送を行ううえで必要不可欠である.これに対し,救命チームの各人員が保持する端末の無線アドホック通信機能とGPS測位機能を利用し,それらの端末が移動しながら収集した位置情報や通信履歴を用いて対象領域の地図をリアルタイムに自動生成する手法が開発されている.しかし,この手法では建物の詳細な形状を再現することが難しいことや地図生成時間や精度に限界があることなどの課題があった.そこで本研究では,無線端末の位置情報や通信履歴に加え,一部の人員が保持するレーザレンジスキャナ(LRS)から得られた障害物情報を利用し,高精度かつ短時間で屋外地図を生成する手法を提案する.150m×190mの領域において提案手法のシミュレーションによる性能評価を行った結果,15人のうちの3人がLRSを保持することにより200秒で約90%程度の精度での地図生成を実現し,LRSを使用しない場合と比べ推定精度が90%に至る時間を約300秒短縮していることを確認した.さらに,従来手法との性能比較により,提案手法の有用性を示している.
- 2012-07-15
著者
-
東野 輝夫
大阪大学大学院情報科学研究科
-
山口 弘純
大阪大学大学院情報科学研究科
-
藤井 彩恵
大阪大学大学院情報科学研究科
-
東野 輝夫
大阪大学大学院情報科学研究科|独立行政法人科学技術振興機構 Crest
-
山口 弘純
大阪大学大学院情報科学研究科|独立行政法人科学技術振興機構 Crest
-
井ノ口 真樹
大阪大学大学院情報科学研究科
-
東野 輝夫
大阪大学大学院情報学研究科
-
山口 弘純
大阪大学大学院情報学研究科
関連論文
- 災害現場でセンシングされた生体情報を集約する無線センサーネットワークの構成法(モバイルコンピューティング、モバイルアプリケーション、ユビキタス通信、モバイルマルチメディア通信)
- ネットワークオンチップにおける回路面積と配線コストを考慮したチップ内通信構造最適化の一手法(コンピュータシステムの設計・検証及び一般,デザインガイア2007-VLSI設計の新しい大地を考える研究会)
- アドホック通信に基づく行先経路の道路情報取得プロトコルの開発(セッション2,ITS情報処理・一般)
- アドホック通信に基づく行先経路の道路情報取得プロトコルの開発(セッション2)(ITS情報処理・一般)
- 詳細度の異なるモデルを用いた無線シミュレーションの高速化手法の提案(Work in Progress,ワイヤレス環境でのアプリケーション品質,P2P/アドホックネットワーク,画像符号化,ストリーム技術,信頼性,一般)
- 無線メッシュネットワークにおけるWDSクラスタ分割アルゴリズムの改善(無線ネットワーク)
- 災害医療支援ネットワークのための軽傷者用負傷者端末(システム設計,物理設計及び一般)
- 位置情報に基づくTDMプロトコルの提案(セッション1)
- 車車間通信を利用した信号機制御手法の提案
- 車車間通信を用いた危険車両の検出手法の提案(車車間通信技術,次世代社会基盤をもたらす高度交通システムとモバイル通信システム)