生薬資源の研究(第7報) : 黄連のβ-アミラーゼ活性と加熱調製について
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概要
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黄連の根茎は,非常にたくさんの細根に覆われているが,生薬に調製する際,細根は焼くことにより除去されている.近年,細根の除去には,細根のついたまま加熱乾燥した後,たがいにこすりあわせる方法が頻繁に行われるようになっているが,その加熱の結果,セリバオウレンCoptis japonica MAKINO var. dissecta NAKAIの根茎中のべルペリン型アルカロイドが減少し,とくに,生薬中のberberineは加熱によりberberrubineへ変化すること,しかも市場品生薬の中にberberrubineを含有するものがあることを前報で報告した.一方,山崎らは生薬の黄連にはβ-アミラーゼが存在し,その活性は日本産のものと中国産のものとでは異なることを報告している.このようなβ-アミラーゼ活性の差異はべルべリン型アルカロイドと同様,加熱による調製と関連があると推察される.本報では,C. japnica var. dissectaを基原とする日本産黄連の他に,C. chinensis FRANCH,およびC.deltoidea C. Y. CHENG, C. omeiensis C.Y, CHENG, C. teeta C.Y.CHENG を基原とする中国産黄連,C. teeta を基原とするタイ,ビルマ,インド産の黄連についてβ-アミラーゼ活性を比較すると同時に,新鮮なセリバオウレンの根茎を乾燥時の温度条件を変えて調製し,それぞれのβ-アミラーゼ活性の変動について検討したので報告する.
- 日本生薬学会の論文
- 1992-03-20
著者
-
米田 該典
大阪大学薬学部
-
米田 該典
Faculty Of Pharmaceutical Sciences Osaka University
-
米田 該典
大阪大学医学部
-
山形 悦子
大阪大学薬学部
-
華 龍津
大阪大学薬学部
-
川岡 一治
大阪大学薬学部
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