白朮の成分研究 : 韓国産白朮の成分及び朮のTLC分析

概要

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ビャクジュツ(白朮)は第十二改正日本薬局方に収載されており,オケラAtractylodes japnica KOIDZUMI et KITAMURAの根茎(ワビャクジュツ)又はオオバナオケラA. ovata DE CANDOLLEの根茎(カラビャクジュツ)である.また,近縁生薬として,ソウジュツ(蒼朮)があり,ホソバオケラA. lancea DE CANDOLLE又はその変種の根茎と規定されている.白朮の成分としatractylon, atractylenolide IIIなどのセスキテルペノイド類,diacetyl-atractylodiol, (4E,12E)-tetradecadiene-8, 10-diyne-1, 3-diol diacetateなどのポリアセチレン系化合物,また,蒼朮の成分としてはatractylodin,β-eudesmol及びhinesolが良く知られている.白朮及び蒼朮の鑑別については吉岡ら,西川ら,〓ら,後藤らが種々報告している.また,「日局」にはatractylon, atractylodinを指標成分とした試験方法が収載されているが,ワビャクジュツ及びカラビャクジュツについては適切な試験方法は確立されていない.そこで,韓国産白朮(A. japonica)及び中国産白朮(A. ovata)の成分比較を薄層クロマトグラフ(TLC)法により行い,韓国産白朮の酢酸エチル可溶分画にα-naphthol試液により,紫〜青紫色を呈する特異的な成分4種(I〜IV)を認め,それらを単離,同定した.また,対応する植物の根茎について比較検討した.
日本生薬学会の論文
1993-03-20