各社がん保険におけるがんの定義の違いとその影響(論考)

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概要

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多くの生命保険会社ががん保険を取扱っているが,約款上の「がん」の定義が各社で異なっている。長期にわたって保障を提供するがん保険は,対象とする「がん」をある一時期の分類に限定すると,将来被保険者が「がん」に罹患したときの臨床現場の認識と乖離した分類により,給付対象であるか否かを判断することになる。患者が診断を受けた時点の「がん」の分類に合わせることが可能な,分類変更に対応できる約款が望ましい。また,今回検討した約款にはWHOの考え方・分類であるICD分類をがんの定義に使用しながら,WHOの考えとは違った上皮内新生物や上皮内癌を約款上の「がん」の定義に加えているものがあった。契約者・被保険者などに誤解と心理的精神的な負担を与える可能性があるとともに約款規定により罹患者はがん保険に加入できない。がん保険の「がん」の定義には医学的な意義や一般消費者の正しい理解の普及からも,「悪性新生物」に限定することが妥当である。
2011-09-17

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