保険診査における指血圧計の使用経験

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概要

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小型で軽量な指血圧計が開発され,従来に比べ血圧測定が容易になり,変動する血圧値を大まかに把握するには有用であると言われている。一方,上腕血圧と指基部血圧との間には生理的較差が存在するので,指血圧計の測定値は補正する必要があるとも報告されている。そこで,1989年に同一社医で診査した男性511名を対象に通例の測定法に加え指血圧計で血圧と脈拍数を測定し,得られた数値を比較検討し,統計学的解析を行うことにした。両者の測定値の相関係数は,収縮期血圧では0.544,拡張期血圧では0.241,脈拍数では0.848であった。また,収縮期血圧と拡張期血圧について,指血圧計と聴診法による測定値の差を求め,年齢,肥満度,脈拍数の差の影響を評価した。収縮期血圧,拡張期血圧とも,30歳未満の年齢群では指血圧計の測定値が聴診法に比べ,有意に高くなることが示された。以上の結果により,指血圧計を保険診査に使用するには限界があると考えられた。
1990-12-15

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