竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1990年 : 環境選好性
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概要
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1990年の竜ヶ崎市郊外の2.5Km-帯状センサスにより,チョウ成虫の生息環境の調査が行われた。3〜11月にかけて1旬につき2回の調査で7科43種2,726個体が目撃され,距離補正の上(補正総個体数=2,325),群集構造,種数,個体数,多様性,優占種についての生息環境による違いが報告された。以下はその結果である。1.チョウ43種の19の調査小区への補正個体数分布マトリックスより,群分析と主成分分析を併用して,三つの生息環境(人家周辺域,荒地,森林)と三つの群集(モザイク群集,オープンランド群集,森林群集)を区別した。2.人家周辺域から森林まで広い環境選好性をもった,オオチャバネセセリ>イチモンジセセリ>アオスジアゲハ>ヒカゲチョウを優占種とする計20種がモザイク群集を構成していた。3.荒地や人家周辺域には,ヤマトシジミ>モンシロチョウ>キタテハを優占種とする計11種からなるオープンランド群集が成立していた。4.森林には,キチョウ>コチャバネセセリ>ツバメシジミ>ウラギンシジミ>ヒメウラナミジャノメ>コミスジ>アゲハを優占種とする計12種を含む森林群集が成立していた。5.種数,個体数は過去8年間の平均を上回ったが,多様性と均等性は1985年に次いで低下し,群集全体としては,1985年の落ち込みからは回復したと考えられるが,その内容は1985年以前とは大きく異なり,森林群集の衰退とオープンランド群集の台頭とその中の寡占化が表面化してきた。
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