竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1988年 : 環境選好性
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概要
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1988年の竜ヶ崎市郊外の2.5Km-帯状センサスにより,チョウ成虫の生息環境の調査が行われた。3〜11月にかけて1旬につき2回の調査で7科43種2,884個体が目撃され,距離補正の上(補正総個体数=2,134),群集構造,種数,個体数,多様性,優占種についての生息環境による違いが報告された。以下はその結果である。1.チョウ43種の17の調査小区への補正個体数分布マトリックスより,群分析と主成分分析を併用して,二つの生息環境(オープンランド,森林)と二つの群集(オープンランド群集,森林群集)を区別した。2.耕作地とその周辺域には,モンシロチョウ>イチモンジセセリ>ヤマトシジミ>キチョウ>キタテハ>ツバメシジミ>アゲハが優占する計20種からなるオープンランド群集が成立していた。3.森林には,オオチャバネセセリ>サトキマダラヒカゲ>ヒメウラナミジャノメ>ヒカゲチョウ>コミスジ>ルリシジミ>アオスジアゲハを優占種とする計23種を含む森林群集が成立していた。4.種数,個体数,多様性,均等性のいずれも,過去6年間の平均を上回つたが,森林群集の衰退とオープンランド群集の台頭が表面化してきた。特に後者は前四つのいずれの指標についても過去7年間の最高値を示し,そのため群集全体としては1985年における落ち込みから3年連続で回復したといえるが,その質は変化したといえよう。
- 流通経済大学の論文
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