モンシロチョウの食草選好性 : IV. 第四世代
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
モンシロチョウ第四世代の寄主選好性と不完全発生の実態を調べるため,北海道大学構内に生育している10種類の植物-ツケナの2品種(バカラシナ,シガツシロナ),キャベツ,キレハイヌガラシ,ハルザキヤマガラシ,ダイコン,カブ(サッポロムラサキ),コンロンソウ,ノウゼンハレン,スカシタゴボウ-を同構内に設けた実験区に移植あるいは播種し,そこに発生したモンシロチョウの個体数を発育段階ごとに1975年の9月10日から11月7日まで調査した。それぞれの実験植物について,個体数の変化,寄生密度,生命表,発育期間,生存曲線が明らかになった。1.寄主1m^2あたりの卵密度は0〜33.3,5齢幼虫密度は0〜1.5であり,スカシタゴボウ,キレハイヌガラシおよび秋蒔きの栽培性アブラナ科植物が第四世代の寄生対象として重要である。2.蛹化個体はいずれの寄主でも得られなかった。9月〜11月の温度条件から考えて,第四世代で越冬蛹となり得る個体は,9月10日〜9月15日の間に産卵されたものだけであると判断された。3.寄生小区数,寄生密度,生存率,発育期間を基準にして,キレハイヌガラシを第四世代の好適寄主と判断した。4.札幌周辺域にみられる第四世代の不完全発生は,年4回発生を常態とする隣接個体群からの遺伝子の流入による可能性が高い。
著者
関連論文
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1992年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相 : 20年間の変化
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1989年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1990年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1990年 : 季節消長
- 湯ノ丸高原域におけるチョウの垂直分布
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1991年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1991年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1989年 : 季節消長
- Factors Controlling Oviposition Activities of Two Pierid Butterflies, Pieris rapae crucivora and P. napi nesis, Living Sympatrically at Open Habitats
- Daily Oviposition Activities of Two Pierid Butterflies Inhabiting Sympatrically in Northern Japan
- Host Preference in Pieris rapae crucivora
- モンシロチョウの食草選好性 : IV. 第四世代
- モンシロチョウの食草選好性 : II. 第二世代
- モンシロチョウの食草選好性 : I. 第一世代
- モンシロチョウの産卵選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1988年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1988年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1987年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1987年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1986年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1986年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1985年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1985年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1984年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1984年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1983年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相、1983年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1982年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相 : 日周性
- 蝶類群集の研究法
- Effect of Field Temperatures on Development for Egg Stage of Pieris rapae crucivora (Lepidoptera, Pieridae)
- 竜ヶ岡地域のチョウ相 : 2ヵ年の比較
- 近縁のモンシロチョウ属2種のすみわけ
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相
- チョウの活動性 : 気温・日射・風力との関係