竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1985年 : 環境選好性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1985年の竜ヶ崎市郊外の2.5Km-帯状センサスにより,チョウ成虫の生息環境の調査が行われた。3〜11月にかけて1旬につき2回の調査で7科41種2,329個体が目撃され,距離補正の上(補正総個体数=1,531),群集構造,種数,個体数,多様性についての生息環境による違いが報告された。以下はその結果である。1.チョウ41種の15の調査小区への補正個体数分布マトリックスより,群分析と主成分分析を併用して,三つの生息環境(オープンランド,モザイク,森林)と四つの群集(モザイク群集,森林群集,林縁群集,オープンランド群集)を区別した。2。耕作地とその周辺域には,モンシロチョウが優占する計5種からなるオープンランド群集が成立し,ヤマトシジミ>キチョウ>ルリシジミ=キタテハ=アゲハを優占種とする計19種からなるモザイク群集や,計5種からなる林縁群集の一部も目撃された。3.森林には,オオチャバネセセリ>イチモンジセセリ>ヒメウラナミジャノメ>コミスジを優占種とする計12種を含む森林群集が成立し,そこに林縁群集の一部が加わっていた。4.これら二つの群集の移行帯的性格をもったモザイク環境が第三の環境として区別され,モザイク群集の一部と森林群集の混合体となっていた。5種数,個体数については,オープンランド環境での目撃が最も多く,ついで,モザイク環境森林環境の順で少なくなった。一方,多様性については,森林環境で最も高く,ついでモザイク環境,オープンランド環境の順で低下した。6.1985年には,大規模造成の準備段階として周辺域や当調査小区でも立木の伐採が行われたところがあり,全体として,モザイク,森林群集の縮小とオープンランド群集の拡張がみられた。
- 流通経済大学の論文
著者
関連論文
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1992年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相 : 20年間の変化
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1989年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1990年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1990年 : 季節消長
- 湯ノ丸高原域におけるチョウの垂直分布
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1991年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1991年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1989年 : 季節消長
- Factors Controlling Oviposition Activities of Two Pierid Butterflies, Pieris rapae crucivora and P. napi nesis, Living Sympatrically at Open Habitats
- Daily Oviposition Activities of Two Pierid Butterflies Inhabiting Sympatrically in Northern Japan
- Host Preference in Pieris rapae crucivora
- モンシロチョウの食草選好性 : IV. 第四世代
- モンシロチョウの食草選好性 : II. 第二世代
- モンシロチョウの食草選好性 : I. 第一世代
- モンシロチョウの産卵選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1988年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1988年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1987年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1987年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1986年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1986年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1985年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1985年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1984年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1984年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1983年 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相、1983年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相,1982年 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相 : 季節消長
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相 : 環境選好性
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相 : 日周性
- 蝶類群集の研究法
- Effect of Field Temperatures on Development for Egg Stage of Pieris rapae crucivora (Lepidoptera, Pieridae)
- 竜ヶ岡地域のチョウ相 : 2ヵ年の比較
- 近縁のモンシロチョウ属2種のすみわけ
- 竜ヶ崎市周辺のチョウ相
- チョウの活動性 : 気温・日射・風力との関係