調息・バイオフィードバックによる心拍制御の研究(2)(追悼小沼正教授)

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1.Locus of Controlの外向群(4名),内向群(4名)を対象として,以下の4条件I.数息,II.数拍,III.平均分時心拍数より10拍速い光刺激呈示,IV.平均分時心拍数より10拍遅い光刺激呈示における心拍数の変化を見た。その結果,外向群と内向群に,心拍数の変化に有意差が認められた。外向群では,呼吸や心拍を数えることで心拍数が減少し,光刺激を数えることでもかなり減少した。2.Locus of Controlの外向群(8名),内向群(8名)を対象として,以下の4条件で,心拍減少課題を与えた。4条件は以下のとおりであった。I.数息,II.数拍,III,IVはそれぞれ,バイオフィードバックを与える。その結果,どの条件でも,外向群の方が,内向群より,心拍減少の効果が著しく,とくにバイオフィードバックを与えなかった場合にその差が顕著であった。3.Locus of Controlの外向群(8名),内向群(8名),MAS高得点群(8名),低得点群(8名),計32名を対象にし,以下の3条件で心拍増加課題を与え,心拍数の変化をみた。I.心拍増加の指示のみ,II.心拍増加の指示とバイオフィードバック,III.競争。その結果,Locus of Controlでは,内向群の方が,いずれの条件でも,外向群よりも,心拍増加の効果が著明であった。また,MASでは,高得点群が,低得点群より,いずれの条件でも心拍増加の効果が著明であった。4.心拍数知覚の正確さは,個人差が大で極めて正確なものと,不正確なものまで,広く分布する。しかし,触診によるバイオフィードバックや,坐禅の調息によって,心拍数知覚の正確さは上昇した。心拍数知覚とパーソナリティの関連については,MASとLocus of Controlによっては,有意差は見出されなかった。

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