人生に対する態度の研究(2) : LAP (Life Attitude Profile)の研究(2)
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概要
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本研究は,Life Attitude Profile (LAP)尺度を,日本人大学生を対象にして標準化することを目的としたものである。また,あわせてLAPの妥当性検証に用いた,BeckらのHopelessness (HS)尺度についての検討もおこなった。本研究で対象となった大学生は,男性90名・女性90名の合計180名であり,結果は以下のとおりであった。(1)研究1では,LAP(2)の質問項目について再検討を行ない,LAP(3)(29項目・7段階評定法)を作成した。LAP(3)について主成分分析法・直交バリマックス回転を実施したところ,7因子が抽出できた。7因子には以下のような意味づけを行なった。第1因子:人生の意味・目的の獲得 第2因子:生きがい感 第3因子:死に対する態度 第4因子:実存的空虚でないこと 第5因子:人生の意味・目的の探究 第6因子:人生の統御 第7因子:将来への期待 各因子について因子ごとの得点を算出し,性差と因子間相関を見ると,第4因子:実存的空虚でないことで,男性の方が有意に高い得点を得ていた。また,第3因子:死に対する態度と第5因子:人生の意味と目的の探究は,他因子との結びつきが弱かった。(2)研究IIでは,Hopelessness (HS)尺度(20項目・2件法)の日本語版作成と学生生活の充実感との関係について検討した。HSについて主成分分析法・直交バリマックス回転を実施したところ,6因子が抽出できた。抽出した因子は次のように意味づけた。第1因子:将来への期待の欠如 第2因子:時間的展望の欠如 第3因子:不確実感 第4因子:悲観的態度 第5因子:失望感 第6因子は,因子負荷量が0.400以上ある項目が1項目のみであったため,因子の意味づけをさし控えた。因子ごとに得点を算出して性差検定を行なったところ,いずれの因子でも有意差は認められなかった。HSと学生生活の充実感の関係について検討したところ,それらの間には負の相関関係があることが見いだされた。この結果から,Hopelessnessを感じている人は,学生生活において充実感を感じていないことが明らかになった。(3)研究IIIでは,LAP(3)とHopelessness,Locus of Control,自己受容性,学生生活の充実感の関係について検討した。その結果,LAP(3)は,Hopelessnessとは負の相関を,Locus of Controlの内部統制的傾向,自己受容性,学生生活の充実感とは正の相関関係を示した。これより,積極的な人生態度を持つ人は,Hopelessnessを感じず,内部統制的・自己受容的であり,学生生活に充実感を感じていることが言える。しかしながら,LAP(3)の第3因子:死に対する態度と第5因子:人生の意味と目的の探究は,LAP(3)合計点や他因子と比べてやや異なった特徴を示していた。
- 駒澤大学の論文
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