人生に対する態度の研究(1) : LAP (Life Attitude Profile)の研究(1)
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概要
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本研究は,Life Attitude Profile (LAP)を,日本人を対象として標準化することを目的としたものである。今回,対象となったのは,日本の大学生,男性221人,女性124人,計345人であり,結果は以下のとおりであった。(1)LAP(1)の因子分析の結果から:項目の取捨選択を行ないLAP(2)(32,項目・7段階評価)を作成した。LAP(2)の施行によって得られた得点に因子分析を実施したところ,以下の9因子を得た。すなわち,第1因子:人生の目的,第2因子:死の受容,第3因子:実存的空虚でないこと,第4因子:人生の統御,第5因子:将来での意味の充足,第6因子:自己努力の重要視,第7因子:不安でないこと,第8因子:意味への意志,第9因子:生きがいであった。これらの各因子について因子ごとの得点を算出し,性差と因子間相関を見ると,第2因子:死の受容が他の因子とはきわめて異った傾向を示した。つまり,性差では男性が女性よりも"死の受容度"が有意に高く,因子間相関では,第2因子:死の受容は,他の因子とはほとんど相関がなく,独立した因子であることが判明した。(2)LAP(2)と同時に,統制の位置(Locus of Control),MPI,それにMASを施行した。さらに,LAP(2)の得点上位群,下位群について,上述の各テストの有意差の検定を行なった。その結果,それらのテストはいずれも,危険率1%水準で両群間に有意差のあることが認められた。つまり,LAP(2)高得点群は,低得点群と比較して,統制の位置でより内向的であり,向性ではより外向的,さらに神経質傾向と不安傾向はより少なかった。(3)MASの下位6因子の因子ごとの得点を算出し,LAP(2)の上位群,下位群について,それらの因子得点の有意差の検定を行なった。その結果,神経質を除く他の5因子つまり"いらだちやすさ","社会的劣等感","抑うつ性","強迫観念的恐怖態度","身体的不安兆候"において両群間に有意差が認められた。すなわち,LAP(2)上位群は下位群と比較していずれも,これらの因子において得点が低かった。(4)LAP(2)と学生生活における充実感テスト(F)のそれぞれの因子の因子間相関係数を算出し,以下のことが判明した。学生の学生生活における充実感と積極的な人生に対する態度との間には明確な正の相関が認められた。とくに,学生生活における充実感の中で,友人関係,サークル・授業における存在感が,積極的態度と深い関連が認められた。
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