牧草に対する尿素の葉面撒布の研究(第二報) : オーチヤードを主体とする牧草地(傾斜地)に於ける尿素の葉面撒の布効果

概要

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1.オーチヤードを主体とした牧草地(傾斜地)に対し、一番刈を行つた後尿素を1%液として反当り尿素N2貫の割で葉面撒布し二番刈に及ぼす影響を調査した処撒布後20日目頃又は20日以内に生草収量36%増加した。2.禾本科牧草は夏期生育中(一番刈後に於て)可なり、水分を変化する事が判つた。而して此の期間中尿素撒布した区の牧草は対照区の牧草より常に水分が多かつた。3.従つて乾草収量としての増収割合は生草収量の場合より少く先の場合撒布後20日目頃21%の増加となつた。4.尿素を撒布した牧草は粗蛋白含量が対照区より非常に増加した。即ち尿素撒布による反当り蛋白収量の増加率は最高90%に達し、生草収量並に乾草収量の増加よりも大きかつた。従つて蛋白を多量に必要とする動物(乳牛等)に対しては尿素の葉面撒布は特に有効な方法である。尚尿素を撒布した牧草は粗蛋白中の純蛋白割合も増加して来た。5.オーチヤードでは夏期二番刈用り生草が成熟して風乾水分含量が少くたつて(例えば46〜66%)来ると尿素の葉面撒布による増収効果は顕著で無くなるようである。
日本草地学会の論文