アルギニン不足飼料を給与した鶏ヒナにおける14C-アミノ酸の代謝

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アルギニン不足飼料(適量の50%不足)を給与したヒナにおいて,飼料に由来するアミノ酸の体たんぱく質,体脂肪あるいは呼気CO2への移行がどのように変化するかを調べるために,標識アミノ酸を用いて追跡実験を実施した.8日齢白色レグホーン種雄ヒナにアルギニン適量飼料とアルギニン不足飼料を14日間等量給与した後,L-[U-14C]アルギニン塩酸塩,L-[U-14C]グルタミン酸およびL-[U-14C]アミノ酸混合物を経口投与し,体および肝臓のたんぱく質あるいは脂質,呼気CO2に移行する割合を測定した.各供試飼料を等量給与すると,アルギニン不足飼料給与により増体量と体たんぱく質蓄積量は減少し,体脂肪蓄積量は増加した.各標識アミノ酸の14Cが呼気CO2および体たんぱく質へ移行する割合は飼料のアルギニン含量によっては差がなかったが,肝臓たんぱく質への取込み割合はアルギニン不足で有意に増加した.アルギニン不足飼料の給与によって,14C-アミノ酸の体脂質への転換割合は有意に増加したが,その移行量は投与量の7%以下にしか過ぎなかった。また肝臓脂質への転換割合も増加する傾向はあったが有意な差ではなかった.これらの結果から,アルギニンの不足によって,飼料由来のアミノ酸が酸化される割合および体たんぱく質の合成に用いられる割合には変化がなく,体脂質への転換割合は促進されるものの,体脂肪蓄積量の増加に対する寄与は比較的小さいと判断した.
社団法人日本畜産学会の論文

アルギニン不足飼料を給与した鶏ヒナにおける14C-アミノ酸の代謝

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