包装サイレージの品質ならびに栄養価値におよぼす添加剤の効果について
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概要
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種々の添加剤がサイレージの品質ならびにその栄養価値におよぼす影響を調査する目的で本実験を行なった.まず,磨砕した緑飼料に水分調整とカロリー源の補給を目的として,これに生草重の1/3程度のデンプンを加え(試験の一部にはデンプンを使用せず),さらに各種の添加剤を添加混合した上でポリエチレン袋(詰込容量1kgと25kgの2種)に固く詰め,結紮後そのままの状態で,あるいはまた加熱殺菌(70〜80°Cの熱水中にて約30分間)処理をほどこした上で3〜4週間窒温または恒温(25°C)にて貯蔵した.これらの製品のpH,有機酸含量,アミノ態窒素ならびにアンモニア態窒索含量をそれぞれ測定するとともに,製品の一部については家兎による消化試験ならびに窒素の出納試験を行ない,その栄養価値を比較検討した.その結果はつぎの通りである.種々の添加剤の中でホルマリン,フラゾリドンおよびピロ亜硫酸ナトリウムは,サイレージの醗酵を抑制するのにかなりの効果があつた.しかしながら動物試験の結果からは,ホルマリンならびにフラゾリドンの添加により製品の各成分の消化率ならびに蛋白質の利用性が著しく低下することが明らかとたつた.一方ピロ亜硫酸ナトリウム添加の場合においてはそのような悪影響は全くみられなかつた.なお抗生物質添加の場合もサイレージの醗酵にはほとんど影響をおよぼさないことが推察された.また貯蔵前の加熱処理により有機酸の生成はかなり抑制されたが,蛋白質の消化率にはそれほどの影響はなかつた.ポリエチレン袋による貯蔵は嫌気性保持の上から効果的であるように思われた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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