カラメル輪液の高速液体クロマトグラフィーによる薬物動態の研究

概要

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栄養輸液剤であるグルコース由来のカラメル単剤(DA-10)を家兎・犬・牛・馬に投与した場合の薬物動態について,高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を主な手段として検討したところ,いくつかの知見を得ることが出来た。結果は次の通りである。1.カラメル液の糖分析用逆相カラム(LS-450NH_2SIL)を使用するHPLCパターンは11ピークを認める特徴あるものであった。2.カラメル液中にグルコース,フラクトース,マルトースの存在が確認された外,その他のオリゴ糖類,フルフラール,ヘキシトールの存在が推測された。3.カラメル液を動物の静脈内へ投与すると直後から尿中にカラメルの特徴パターンを示す物質が確認され,カラメルそのものが排泄されている事が判明した。カラメル投与後の尿1容にアセトニトリル2容を混合し,25,000g 5分間遠心分離すると比重差からカラメル特有色の着色層が認められ,HPLC分析によりカラメルであることが確認された。4.カラメルの尿中への排泄量に比例して尿量は増大した。カラメルの尿中への排泄は投与約1時間後にピークを示し,漸減しながら約6時間後まで認められた。5.動物にカラメルを投与した後,尿中カラメルの経時的HPLC分析によれば,尿量のピーク時に一致して溶媒部位にヘキソースの分解産物と思われる成分が増大した。グルコース,フラクトース,マルトースの分画はやや減少するか,あまり変らなかった。
帯広畜産大学の論文
1985-06-25

カラメル輪液の高速液体クロマトグラフィーによる薬物動態の研究

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