稲(Oryza sativa L.)の品種・系統の違いによる稲わらの化学成分とin vitro乾物消化率の差異

概要

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日本型14種インド型10種の24種の稲(Oryza sativa L.)を用い,品種・系統の違いから稲わらの化学成分及びin vitro乾物消化率(IVDMD)に及ぼす影響について検討した。実験1では各種稲わらの化学成分とIVDMDを測定し,実験2では4品種の稲わらの各部位の構成割合,化学成分及びIVDMDを調べた。稲わらの化学成分は有機物(OM)含量が79.4-83,9%,粗蛋白質(CP)含量は3.0-5.4%,細胞壁の有機物部分(OCW)含量は66.3-75.9%,酸性デタージェント繊維(ADF)含量は38.3-45.2%,酸性デタージェントリグニン(ADL)含量は3,7-5,6%,ケイ酸(SIL)含量は8.1-10.8%の範囲であった。また,ADLはインド型稲のわらが日本型より低い傾向を示したが,他の化学成分には大きな差が認められなかった。稲わらのIVDMDは37.7-52.2%の範囲にあり,品種・系統の違いによる差が認められ,インド型稲のわらのIVDMDが日本型より有意に高かった。IVDMDは1%水準でCP含量と有意な正の相関,稈長,OM含量,ADF含量及びADL含量と有意な負の相関を示した。稲わらの各部位の構成割合には明瞭な差は認められなかったが,ハバタキ,来敬のIVDMDが他の2品種に比べ,各部位で高かった。
日本草地学会の論文
1995-07-30