雄性不稔稲の生育時期別・部位別化学成分とサイレージの栄養価

概要

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雄性不稔稲の飼料特性を明らかにするために, 4品種を供試して生育時期別・部位別化学成分とサイレージの栄養価を調べた。いずれの品種も葉部および茎部の細胞壁の有機物部分含有率と酸性デタージェント繊維含有率は糊熱期, 黄熟期とも不稔区より正常区が高かった。サイレージの平均のpHは正常区が4.51-4.96, 不稔区が4.45-4.63の範囲にあり, 乳酸含有率, 酪酸含有率, 酢酸含有率および総窒素に占める揮発性塩基態窒素の割合は正常稲と不稔稲で明瞭な差は認められなかった。粗蛋白質の消化率は正常稲サイレージより不稔稲サイレージが高かったものの, 乾物, エネルギーの消化率は不稔稲サイレージより正常稲サイレージが有意に高かった。可消化養分総量, 可消化エネルギーおよび代謝エネルギーは不稔稲サイレージより正常稲サイレージが有意に高かったが, 可消化組蛋日質含有率は不稔稲サイレージが有意に高かった。以上のことから, 雄性不稔稲サイレージは正常稲サイレージより可消化組蛋白質含有率を除き栄養価が低いことが明らかとなった。
日本草地学会の論文
1998-10-31