西南日本の遊休地に成立した二次林内での放牧. 1. 二次林内に形成された牛道の特徴.
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概要
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放牧導入による放棄二次林の管理技術を確立するための基礎資料を得る目的で, 中国農業試験場畜産部 (島根県) 内にある1.45haの二次林を対象に, 林内に形成された牛道の特徴について検討を行った。調査地に設置された10m×10m方形区内の総立木本数は205本で, それらの平均樹高は2.44mであった。樹種の構成は, 常緑広葉樹 (11種) が総立木本数の49%を占め, 落葉広葉樹 (25種) が46%, および針葉樹 (2種) が5%をそれぞれ占めた。二次林内に形成された牛道は複雑な網目状を示し, 等高線を横切るように発達した牛道が多く観察された。牛道の傾斜角は0-29.1度の範囲 (平均値8.1度)に分布した。また, 牛道の傾斜角は,全体の76.6%が12度以下であり, 6度以下のものは全体の43.9%であった。調査地に設定されたグリッドセル (セルサイズ: 10m×10m, n=98) 斜面傾斜角は2.5-18.5度の範囲に分布し, 平均値は11.7度であった。各セルの斜面傾斜角とセル内に形成された牛道長との間には一定の関係は認められなかった。放牧牛による被食の影響を知るための指標木として選定されたネズミモチの樹高は牛道から遠い位置にあるものほど高まる傾向にあり, 樹木に対する被食の程度は牛道からの距離によって変化することが示唆された。
- 日本草地学会の論文
- 2001-06-15
著者
-
井出 保行
畜産草地研究所御代田研究拠点
-
井出 保行
(現)畜産草地研究所
-
宮重 俊一
九州沖縄農研
-
佐藤 節郎
近畿中国四国農業研究センター
-
四十万谷 吉郎
農林水産省草地試験場
-
宮重 俊一
農林水産省畜産試験場
-
井出 保行
農林水産省中国農業試験場畜産部
-
佐藤 節郎
農林水産省中国農業試験場畜産部
-
佐藤 節郎
中国農試・畜産部
-
四十万 吉郎
草地試験場:(現)中国農業試験場
-
井出 保行
近畿中国四国農業研究センター:(現)畜産草地研究所
-
四十万谷 吉郎
農林水産省畜産試験場
-
宮重 俊一
農林水産省熱帯農業研究センター
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