乾燥法の違いが牧草サイレージのタンパク質画分に及ぼす影響

概要

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AFRCやNRCなどの欧米の飼養標準では代謝タンパク質システムが進展しており,わが国の飼養標準(乳牛)もその考えを取り入れている。このシステムでは反すう家畜へ合理的なタンパク質給与を行うために,要求量に見合った代謝タンパク質の供給量を求める必要があり,中でも飼料タンパク質の第一胃内分解特性を適正に把握しておくことが重要である。しかし,サイレージでは発酵に伴い揮発性脂肪酸(VFA)やアンモニアやアミンなどの揮発性塩基態窒素(VBN)が生成するため,加熱乾燥を行った分析用サンプルではこれらの成分が揮散し,乾物(DM)率や飼料成分組成の測定に問題があることが指摘されている。一方,凍結乾燥法は乾燥過程での揮発性成分の損失が少なく,サイレージのDM率や飼料成分をより適正に定量し,飼料栄養価の適正評価のために有用な方法であることが示されている。しかし,サイレージのタンパク質画分を測定するための分析用サンプルの乾燥法に関する知見は乏しい。そこで,本研究では加熱乾燥と凍結乾燥を行ったサイレージの分析用サンプルを用いて,乾燥法の違いがタンパク質画分に及ぼす影響について調べた。
日本草地学会の論文
2002-08-15