乳牛と肉牛における窒素排泄量の予測と比較
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概要
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本研究の目的は,乳牛と肉牛の窒素摂取量(乾物摂取量やタンパク含量)と窒素排泄量の関係を調べ,また両方に適用できる窒素排泄量を予測する一般式の作成を試みることであった.用いたデータは,日本では泌乳中のホルスタイン種95頭,ホルスタイン種去勢牛45頭と黒毛和種去勢牛23頭の窒素出納試験成績,外国では33の文献より得た泌乳中のホルスタイン種と去勢肥育牛の値を用いた.本研究の結果,泌乳牛は肥育牛に比べ尿による窒素排泄割合が低かった.すべてのデータに対して線形式と指数式をあてはめた結果,窒素摂取量と糞と尿による窒素排泄量の間に正の関連性がみられた.しかし,尿による窒素排泄量は泌乳牛と去勢肥育牛で大きく異なっていたが,尿中と乳中の窒素の合計と摂取窒素の関係をみると決定係数が大幅に向上した.また,糞による窒素排泄量は窒素摂取量より乾物摂取量との方がいずれの式に関しても決定係数が高かった.
- 社団法人日本畜産学会の論文
- 2006-11-25
著者
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広岡 博之
京都大学大学院農学研究科
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寺田 文典
畜産草地研究所
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長命 洋佑
京都大学大学院
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寺田 文典
富山県畜産試験場
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廣岡 博之
京都大学大学院農学研究科
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広岡 博之
京都大学大学院
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寺田 文典
畜草研
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寺田 文典
農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所
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