モントリオールプロセルを基準にしたカンボジアのコンセッション型林業経営の評価
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概要
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Forest fragmentation results because the spatial scales of resource extraction do not match the scales of natural disturbance that shaped the evolution of the landscape. Tropical deforestation was still proceeding at 14.2 million hectares per annum in the 1990s, and only 5.5% of all forest in developing countries was under formal management plans in the year 2000. The Cambodian tropical forests contain partly continuous tropical forest in the world. However, it has suffered serious deforestation 0.6% annually since the last 30 years because of road-building, logging, mining, mismanagement-decision, and agricultural raising expansion. This paper aims at scaling and forecasting the problem in Cambodian forest concession management to fulfill the gape of sustainable forest management decision. To scale and forecast problems of forest management, we used data from CFC company in Cambodia to compare the modern forest management Montreal criteria. The work responds to the need to assess progress toward sustainable forest management as established by the Montreal Process of Criterion 2 and its Indicators. The focus is on a single criterion (commonly referred to as indicator 10 to 14), which addresses the "maintenance of the productive capacity of forest ecosystems" to compare with data of 25-year strategic sustainable forest concession management level. There were 33 subindicators of Criterion 2 in Montreal and only 52% equivalent to 17 sub-indicators were fulfilled. We found that 3 indicators (48%) of management indicators were not in the plan yet. We suggested that growing stock of plantation and non-timber forest products have made the forest management into terrible condition because the forest area in CFC Company was mainly studied only on the timber production. The CFC Company is not alone in facing the challenge of sustainable renewable resource management. The results of this study on assessment of forest concession in Cambodia are applicable for tropical forest management. The assessment was more accurate using a forest concession planning and the Montreal criteria and indicators. Because the sustainable forest management remedies are based on specific knowledge of criteria and indicators, our results may be useful for the future establishment and management of sustainable yields at tropical forests.森林伐採が生態系の回復過程とマッチしない規模であるため,森林の破壊・細分化がもたらされている.熱帯林は1990年代においても毎年1,420万haの規模で減少が続いており,発展途上国では2000年の場合,森林のわずか5.5%しか計画的な管理が実施されていない.カンボジアの森林は,世界の熱帯林の一部を構成しているが,道路建設,木材生産,鉱業生産,農業開発などで過去30年間にわたり毎年0.6%の割合で森林が減少してきた.そこで本稿では,カンボジアにおけるコンセッション経営の問題点を明らかにする.問題点は,CFC林業会社から得たデータとモントリオールプロセスで示された基準との比較によって明らかにされ,評価される.評価基準は同プロセスの基準2(指標10~14:森林生産力の維持)であり,評価対象は,カンボジアのコンセション型林業経営で実施している輪伐期25年の管理基準である.モントリオールプロセスの基準2は33の指標に分かれているが,コンセッションでは,その内17指標についてのみ記録されている.3指標についてはコンセッションの管理計画にも入っていない.また,今回の調査では植林木の成長状況や非木質林産物についての調査が欠けているという問題もあった.今回の調査結果は,カンボジアにおける熱帯林の管理に有益であり,コンセソションの林業計画やモントリオールプロセスの評価基準や指標の改善に有益である.
- 九州大学の論文
著者
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飯田 繁
九州大学大学院農学研究院
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飯田 繁
九州大学農学部附属演習林
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井上 晋
九州大学農学部
-
飯田 繁
Faculty Of Agriculture Kyushu University
-
Kao Dana
Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental Science, Kyushu University
-
井上 晋
Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental Science, Kyushu University
-
大賀 祥治
Faculty of Agriculture, Kyushu University
-
大賀 祥治
Faculty Of Agriculture Kyushu University
-
大賀 祥治
Department Of Forest And Forest Products Sciences Kyushu Unviversity
-
Kao Dana
Graduate School Of Bioresource And Bioenvironmental Science Kyushu University
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