スズタケの生態に関する研究(IV) : 個体生長と光合成
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概要
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The growth of new culms and the seasonal changes of photosynthetic ability were investigated. 1) The new culm of Suzutake begins to sprout when the daily mean soil temperature at the depth of 10 cm go up to about 10℃ and finishes its elongation within two months. 2) After the completion of culm-elongation, the new leaf begins to unfold and finish it completely by ten days or more. The unfolding of all leaves have been completed within 30~50 days following the first-leaf appearance. 3) The phtosynthetic ability of new leaves is higher than in any old leaf. 4) As the optimum condition in photosynthesis, temperature should be about 20℃ and light intensity, 30 klux and more. 5) Although the photosynthetic ability of a new leaf continued to increase until late in the first growing season, it decreases rapidly at a temperature below O℃. The decreased photosynthetic ability hardly recovers. 6) It became evident that the photosynthetic ability of shade leaf is higher than that of a sun leaf in low light intensity and Suzutake was found to be a shade-enduring plant.スズタケの稈の発生と葉の光合成能を鉢植えのスズタケでしらべた.新稈は土壌温度(深さ10cm)が10℃以上になると伸び始め2カ月以内にその伸長を終了した.新葉は稈の伸びが終ってから展開を始め10日前後で完全に開いた.すべての葉の展開は30~50日間で終った.スズタケの光合成は新葉がもっとも高く年齢の高いほど低くなった.光合成の最適条件は温度20℃,照度30klux以上であった.新葉の光合成能は最初の生長期の終りまで高い水準を維持し,0℃以下の低温に遭遇すると急速に低下した.この低下した光合成能の再上昇は殆どみられなかった.弱い光の下では陰葉の光合成能は陽葉に比べ比較的高く,耐陰性の高い植物であると推定された.
著者
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大賀 祥治
Faculty of Agriculture, Kyushu University
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大賀 祥治
Faculty Of Agriculture Kyushu University
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汰木 達郎
九大
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