スギ,ヒノキ二段林の成長について
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概要
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九州大学宮崎演習林では,高冷地におけるスギ・ヒノキの育林技術と森林作業法に関する試験研究がおこなわれてきている.その1つとして26年生のスギ人工林に対し,1967年に列状間伐による二段林構成試験が始められた.3列おきに2列伐採,3列おきに1列伐採の列状間伐をおこない,その伐採跡地にヒノキが植栽された.この報告では,列状間伐試験開始後27年経過した時点での一次植栽木スギと二次植栽木ヒノキの成長が比絞検討されている.その結果,ニ次植栽木ヒノキは1列植であっても2列植でも,サイズがほぼ同じ個体の成長パターンは全くかわらないことが認められた.しかし,1列植はその植栽間隔が狭く,かなり光環境が悪く直径成長が劣っている個体が多い.また,植栽後27年間のスギとヒノキの成長を比較すると,ヒノキは直径でやや劣っているが,樹齢においてはスギの成長をはるかに上回っていること,さらに,本試験地のスギ・ヒノキの樹高成長と九州地方の一般的な収穫上の成長とを比較すると,本試験他のヒノキは成長が良好であった.これらの結果より,列状間伐によるスギとヒノキの二段林構成の可能性が認められた.The purpose of this study was to create a two-storied forest of Cyrptomeria japonica D. Don in the upper story and Chamaecyparis obtusa S, et Z. in the lower story. This investigation was carried out in the Cryptomeria japonica stand in the Kyushu University Forest of Miyazaki, where 53-year-old Cryptomeria japonica were line-thinned in 1967, and Chamaecyparis obtusa were planted in the cut-over area. This paper deals with the results of the survey covering 27 years from 1967 to 1994. The summary of the results is as follows ; Growth of Chamaecyparis obtusa in one row planting was extremely inferior in regard to both height and diameter growth. On the other hand, growth of Chamaecyparis obtusa in two rows planting were superior in height compared with growth of Cryptomeria japonica at the same age. It is concluded that it is possible to create a two-storied forest by line-thinning.
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