土壌中のネコブセンチュウ卵の検出法 : I 卵のうの崩壊条件について

概要

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1)土壌中のネコブセンチュウ卵検出のための予備考察として,Antiformin溶液による卵のうの崩壊条件に関する検討を行った.2)卵のうの崩壊は,寄主植物の種類によって異り,ナスにおける卵のうが最も容易であった.イチジク,モモがこれに次いだ.3)卵のうの崩壊は,卵のうの形成typeによつても異り,外部から影響のうけ易い附着型のtypeにおいて容易であった.4)卵のうの崩壊は,卵のうのstage別にみると比較的若いstageの卵のうにおいてわずかに速まる傾向を示した.5)卵のうの崩壊は,卵のうゼラチン状物質の変質状態によって顕著な差異を示し,変質が進むに従って阻害された.6)Antiformin土壌混合上澄液の卵のう崩壊に対する活性は,混合する土壌の粘土含有量により極端な相異を示し,粘土含有量の増加に伴って著しく活性が低下した.7)Antiformin土壌混合上澄液のpHは,土壌の粘土含有量によって変動し,含有量が少い程アルカリ性を示した.8)Antiformin処理した卵の孵化数は,0.03%で30分,0.15%で20分,0.3%で5分処理以上で減少した.しかしこの範囲における卵の形態上の変化は極めてわずかであった.
千葉大学の論文
1962-12-31