トマト幼苗におけるPratylenchus属線虫と萎ちょう病菌とによる複合病の発現

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1.トマト幼苗における根ぐされ線虫(Pratylenchus penetrans, P. coffeae)と萎ちょう病菌(Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici)とによる複合病の発現について,とくに線虫の種間の差異を比較検討した.2.複合病の発現は,線虫と菌とを混合接種したときの萎ちょう症状として認められ,それは供試した2種の線虫とも同じであった.3.混合感染による複合病発現の程度はP.penetransとFusariumとを接種した場合より,P.coffeaeとFusariumとを接種した場合の方が激しかった.4.混合感染による萎ちょう症状の発生は,初めに認められてからしばらくは比較的緩慢に進行するが,その後次第に急激となる傾向がみられた.またP.coffeaeを接種した場合において,P.penetransを接種した場合よりやや早かった.5.P.penetransとFusariumとの混合感染による萎ちょう発病指数は,線虫を接種する10日前に菌を接種した区でもっともいちじるしく,線虫と菌の同時接種区がそれについだ.菌接種10日後に線虫を接種した区では,さらに低かった.6.P.coffeaeとFusariumとの感染による萎ちょう発病指数は,線虫と菌の接種方法を変えることによってあまり影響されなかった.7.感染植物の根からの線虫検出数は,P.penetransの各接種区では少なかったがP.coffeae接種区ではおどろくほど多かった.またP.coffeae(1,000頭)とFusariumとの接種区では,線虫単独接種区より根および土壌中の線虫密度が2倍に達した.
千葉大学の論文
1972-12-25

トマト幼苗におけるPratylenchus属線虫と萎ちょう病菌とによる複合病の発現

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