Rhabditis属線虫における表皮剥離現象を伴う死態について
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概要
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1) Meloidogyne hapla, Aphelenchoides ritzema-bosi, A. besseyi, Aphelenchus avenae, Rhabditis terricola, R. sp., Rhabditoides sp., Diplogaster sp.以上8種類の線虫について,表皮剥離現象を伴う死態を調査するため次の致死法を行った.物理的方法-温湯処理,凍結処理,傷害処理化学的方法-Nematocide処理としてVapam, D-D乳剤,Nemagon乳剤,β-Naphthol乳剤,その他の化学薬剤処理としてHgCl_2, HCHO, NaCl, Iodine.その他の方法-自然死,中毒死 2)8種類の線虫の中,Rhabditis属2種が如何なる方法においてもその殆どの結果として表皮剥離現象を伴う死態を示した.3)Rhabditis属線虫における表皮剥離現象は,致死法の差により発現の経過が異なり,傷害処理では加害の瞬間から,化学薬剤処理ではβ-Naphthol乳剤,Iodineが急速に,Nemagon乳剤,D-D乳剤が若干の時間の合間をもって,Vapam,HgCl_2,HCHOが長時間を要して夫々現象の発現を認めた.NaClは処理後急速に原形質に異常を認めたが,表皮剥離の確認は長時間後で,必ずしも全個体の剥離現象が認められなかった.なお温湯,凍結処理,及びその他の原因による自然死,中毒死の場合は,現象発現の経過は見なかった.4)Rhabditis terricolaについて処理の強さと剥離現象発現の関係を試験した結果,温湯処理の場合は強烈な処理で,β-Naphthol乳剤処理の場合は高濃度の処理で剥離現象の発現が早かった.5)Rhabditis terricolaの培養経過日数の違いによる剥離現象発現の影響は,50日を経過したものにβ-Naphthol乳剤を処理した場合に少数個体の剥離が見られなかった他は,殆ど関係がなかった.6)表皮の剥離した線虫に対する生死判別の結果から,Rhabditis terricolaにおける剥離現象の発現と死との間には必然的な関連性をもつことが立証された.7)剥離現象を発現した線虫の死態は,頭部から尾部に至るまで一様な巾で明瞭な虫体の膨大を示したまま,特異的な死態として残存する.
- 千葉大学の論文
- 1958-12-30
著者
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