水和剤・乳剤・液剤・粉剤形態Nematicideの土壤中滲透の様相について
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概要
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水和剤・乳剤・液剤・粉剤形態のNematicideを土壤に施こした場合,土壤中における土壤の吸着と薬剤の透過がどのように行われるか,その様相を明らかにするためin vitroの実験を行った.薬剤は水和剤(MN-400, YNB-100),乳剤(EDB-40, Nemathane, DBCP),液剤(Vapam),粉剤(MN-400, PRD)を用い,各種の土壤(clay, loam, sand)中を透過せしめ,その濾液によるRh. terricolaの浸漬殺線虫効果をみるとともに,土壤の各位置にM.incognita var. acritaの卵塊を置いて,同様に処理し,その殺卵効果をみることによって,吸着,透過の様相を明らかにしようとした.なお,Vapamについては特に濾液の化学分析を併行して行った.その結果を要約すると次の通りである.1)MN-400(水和剤), YNB-100ではloamにおける吸着が最も強く,clay, sandでは透過し易かった.2)EDB-40, Nemathaneの吸着はclay, loam, sandの順に強かった.3)DBCPの吸着はclay, loam, sandの順に強かった.4)Vapamの吸着はclay, loamでほとんど差がなく,sandでは弱かった.Vapamを土壤に透過せしめると,土壤に吸着され,次いでVapamより殺線虫力の高いisothiocyanateに変化するが,このisothiocyanateは透過し易く,かつ日時が経過すると分解する.5)loamではMN-400(粉剤)の透過がMN-400(水和剤)より激しかった.したがってclayでは粉剤を,loamでは水和剤を使用すべきであろう.6)PRDの滲透はsand, loam, clayの順に強かった.7)水和剤・乳剤・液剤は土壤の上層部において,強い吸着を示した.粉剤は施こした部分より下層へ向って,少しづつ滲透していく傾向にある.8)土壤の種類別ではMN-400, YNB-100はloamに,他の薬剤はclayに最も強く吸着され,sandはいづれの薬剤とも吸着は弱く,透過され易かった.
- 千葉大学の論文
- 1959-12-31
著者
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