課題の目標設定に及ぼす内的基準と外的基準の効果

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本研究は、課題遂行場面において外的基準志向(一般的基準や平均といった相対的基準を意識する)傾向および内的基準志向(外部の基準に左右されない個人の中にある絶対的基準を意識する)傾向を個人の特性と捉え、各傾向の課題への目標設定の基準や目標、課題遂行量の関係を検討することを目的とした。大学生214名を対象に、外的基準志向および内的基準志向の尺度を作成し、それにより測定した。その後、各傾向の得点の高低に基づいてH-H(外的基準志向強・内的基準志向強、N=11)、H-L(N=H)、L-H(N=11)、L-L(外的基準志向弱・内的基準志向弱、N=12)の4群を設定した。各群合計45名を対象に志向性が課題の目標と遂行にどのように影響するか検討する為に個別実験を行なった。符号課題を被験者に遂行させ、恣意的な外的基準を提示した。その後に、次回の遂行目標を設定させ、同種の課題を再度遂行させた。各被験者の、外的基準志向傾向の得点の高低に関わらず、内的基準志向傾向が低い傾向の者が外的基準を最も意識するという結果は得られたが、傾向と実際の行動の関連や、他の傾向に関しての検証は有意な結果が得られなかった。この原因として被験者にとっての課題の重要性、実験において提示する外的基準の設定、被験者の属性等、本実験の問題点なども考えなければならない。また、性差に関して課題への満足度及び課題の主観的成功感は、全般に女子のほうが男子に比べ、課題を終えた後の満足度が高く、課題の主観的成功感に関しても高いという結果が得られた。これは個人の遂行が外的基準を上回るという状況における、女子特有の外的基準志向傾向と考えられた。
早稲田大学の論文
2000-08-01

課題の目標設定に及ぼす内的基準と外的基準の効果

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